Asaphus expansus / アサフス エクスパンスス (エキスパンサス)
ロシア産三葉虫を代表するAsaphus (アサフス)には20種以上の種類がおりますが、このAsaphus expansus (エクスパンスス)は、その中でもかなり初期の部類に分けられるAsaphusの種類です。この種類は、通常多くのAsaphusが産出する層であるAsery Levelという層よりも一段古い、Kunda Levelという層からのもので、また同じKunda Levelから産出することで有名なAsaphus ranicepsよりもさらに古いKunda Levelの層から産出します。 それ故、この種類はかなり単純で平たい体、あまり発達していない小さな眼を持ち、サイズも大きくともせいぜい6cm-7cm程度で、この種類が多くのAsaphusの祖先の一つであることが良く分かります。
最近の研究(Ivantsov 2003)の中では、このAsaphus expansus (アサフス エクスパンスス)には、さらに3つの亜種 (sub species)に分類されることが提唱されています。Asaphus expansus deltifrons (デルティフロンズ/デルティフロンス)は大きめの頭部、robustus (ロブストゥス/ロブスタス)は逆に小さく平たい頭部、gracilis (グラキリス/グラシリス)はその中間くらいの頭部が、それぞれの最大の特徴だそうです。