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Asaphus fennicus / アサフス フェンニクス

2016年シーズンより、これまで採掘していた層よりも数段時代が新しいKukruse層をターゲットにした採掘が長期間行われるようになりました。Kukruse層 (CII)は、古い順にAsery層 (CIa)、Lasnamagi (CIb)、Uhaku層 (CIc)に続くこの地域のオルドビス紀後期の地層で、サンクトペテルブルグ西のエストニアとの国境に近いKingisepp (キンギセップ)近郊に主な採掘場所があります。これまでロシア・オルドビス紀三葉虫を多数生み出しているサンクトペテルブルグ周辺の採掘層とは時代を隔てているため、このKukruse層からはこれまで得ることのできなかった種類が産出するものの、基本的に完体の三葉虫を得ること自体が大変困難な環境であり、またサイズもほとんどが1-2cm程度の大きさと、これまでのロシア・オルドビス紀三葉虫のイメージには当てはめることのできないものとなっています。

全く新しく目にするAsaphus fennicus (アサフス フェンニクス)という名前ですが、存在自体は既に1907年に論文発表されており、この地域の全体的な分類見直しの際にもそのまましっかりと残っている種類です。この層からの他の三葉虫と同様、非常に産出が少ない上、商業的にもまだまだ試しの段階の域のため、今後の採掘の成果と学術的な兼ね合いが待たれる種類の一つです。

Asaphus fennicus
アサフス フェンニクス
【AFN-001】
オルドビス紀後期
Kukruse Level
Alekseevka Quarry
詳細写真 Kingisepp District, Russia
本体 : 縦1.9cm(直線測定) x 幅1.3cm
SOLD 母岩 : 7cm x 7.5cm
価格 : ¥59,800 (税込¥65,780)
特記 : 通常より数段上の新しい地層から産出するアサフスの一つです。
母岩割れはありません。樹脂による補填は、頬棘先や左眼上,尾板右など写真で確認するとあるかなという感じですが、そもそも体長2cmに満たないとても小さな種類ですので、その量はどこもほんのわずかです。この新しい層から出る別のアサフスA.nieszkowskiiと比べても確かにこちらの方が眼も大きく全体的にふっくらとしており、三葉虫どころか化石が産出すること自体が非常に稀だというこの層でもバリエーションはあったことが分かります。Asery層などでいくつにも分化したそれぞれの種類の子孫が小さくとも細々と生きていたのでしょうか。これまでたくさんのアサフスを扱って参りましたが、この種は当店でも初の取り扱いです。