Bergeroniellus / ベルゲロニェルス
Bergeroniellus (ベルゲロニェルス)は、Ptychopariida (プティコパリア目)の中のPtychopariina (プティコパリア亜目)、Ellipsocephalidae (エリプソセファルス科)に属します。この科の種類は最も初期の三葉虫の一つで、小さな三日月状の眼、小さな尾板、12-16節程度の節がある胸部と、比較的単純な姿のものが多いのですが、たまに長い頬棘や軸棘を持つものもいます。チェコ・ボヘミアのカンブリア紀からの群をなした状態で産出するEllipsocephalus (エリプソセファルス)、モロッコ産カンブリア紀三葉虫であるKingaspis (キンガスピス)、Hamatolenus (ハマトレヌス)、Myopsolenus (ミオプソレヌス)がこの科の代表的な種類です。
シベリア東部を流れる大河Lena River/レナ川には、カンブリア紀に生成した150-300mクラスの崖が広がり、またカンブリア紀化石のラーゲルシュテッテ/ラーゲルシュテッテン(特に保存状態の良い化石を産する土地)として世界的に有名で、その重要性から2012年にユネスコ世界遺産に登録されました (Lena Pillars/レナ川の柱群)。この流域のSinsk village/シンスク村に近い場所には、カンブリア紀前期のBotomian stage (約5億2000万年前)の地層・Sinsk Formation/シンスク層が広がり、その中のBergeroniellus gurarii zoneと呼ばれる層準からは、最も初期の三葉虫が多種類産出します。このBergeroniellus (ベルゲロニェルス)は、その層の示準化石となっていることからも分かる通り、この産地からの代表的な三葉虫の種類です。