Blastoid / ウミツボミ
ウミツボミ (海蕾)は、ウミツボミ綱 (Blastoidea)に属する棘皮動物で、古生代オルドビス紀からペルム紀にのみ生息し、特に古生代末期の石炭紀頃に最も繁栄しました。同じ棘皮動物であるウミユリと同様に、海底に固着する根から伸びた長い茎のその先につぼみ状の萼 (がく/calyx)を持ち、そこから伸びた細い触手のような腕 (brachioles)により海中の懸濁物を捕らえて生きていました。ウミツボミの最大の特徴は花のつぼみに見えるその萼部分で、五放射相称形をしたその先には口があり、そこから続く歩帯溝 (ambulacrum)に腕が伸びていました。アメリカやインドネシアなど一部の地域ではウミツボミ化石が多産しますが、通常化石として目にするのは13枚の骨板で囲まれ頑強な構造をしたその萼部分がほとんどです。