Paraceraurus / パラセラウルス (パラケラウルス)
Paraceraurus (パラセラウルス)は、Phacopida (ファコプス目)の中のCheirurina (ケイルルス亜目)、Cheiruridae (ケイルルス科)に属す、多くのロシア産オルドビス紀三葉虫の中でも珍しい存在です。この科も世界各地の地層から産出しますが、ロシア産オルドビス紀三葉虫と同時代のものは、カナダ・オンタリオ州やケベック州のオルドビス紀Trenton Group (トレントン群)からのCeraurus (セラウルス)やXylabion(キシラビオン)、英・スコットランドGirvanからのSphaerocoryphe (スフェロコリフェ)などがいます。またその後の時代では、米・イリノイ州やオハイオ州のシルル紀Niagaran Dolomite (ナイアガラ ドロマイト)からのCheirurus (ケイルルス)、モロッコ産デボン紀三葉虫で代表的なCrotalocephalus (クロタロセファルス)もこの科に属します。発達したglabellar furrow (頭鞍溝)を持つ大きなglabella (頭鞍)がある頭部、そして何と言ってもgenal spine (頬棘)や胸部のpleural spine (肋棘)、尾部の二股に分かれたようなpygidial spine (尾棘)など、全体が尖っているパーツで形成されている体が特徴です。
ロシア産オルドビス紀三葉虫のうち、このCheiruridae (ケイルルス科)に属するものは、かつては全てCheirurus (ケイルルス)という属名がついていましたが、後に様々な名前に細分化され、現在ではParaceraurus (パラセラウルス)の他に、Cyrtometopus (キルトメトプス)やNieszkowskia (ニエズコウスキア)、Sphaerocoryphe (スフェロコリフェ)などがいます。ロシアでもこれらのどの種も産出量が非常に少ない希少種に当たります。
最近の市場では、Paraceraurus (パラセラウルス)の標本に様々な名前がついており、P.exsul (P.エクスル), P.macrophthalmus (P.マクロフサルムス)などが挙げられます。またP.ingricus (P.イングリクス)という頬棘や尾棘が体に対して極端に長い種類もたまに見かけられます。ただ、現地ロシアでもこれらの区別/種分けは非常に曖昧で、全く同じと思われるものに異なる名前がついているということが多々あり注意が必要です。当店では、供給元より入ってきた名前をそのまま引用しております。