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Paraceraurus / パラセラウルス (パラケラウルス)

Paraceraurus (パラセラウルス)は、Phacopida (ファコプス目)の中のCheirurina (ケイルルス亜目)、Cheiruridae (ケイルルス科)に属す、多くのロシア産オルドビス紀三葉虫の中でも珍しい存在です。この科も世界各地の地層から産出しますが、ロシア産オルドビス紀三葉虫と同時代のものは、カナダ・オンタリオ州やケベック州のオルドビス紀Trenton Group (トレントン群)からのCeraurus (セラウルス)やXylabion(キシラビオン)、英・スコットランドGirvanからのSphaerocoryphe (スフェロコリフェ)などがいます。またその後の時代では、米・イリノイ州やオハイオ州のシルル紀Niagaran Dolomite (ナイアガラ ドロマイト)からのCheirurus (ケイルルス)、モロッコ産デボン紀三葉虫で代表的なCrotalocephalus (クロタロセファルス)もこの科に属します。発達したglabellar furrow (頭鞍溝)を持つ大きなglabella (頭鞍)がある頭部、そして何と言ってもgenal spine (頬棘)や胸部のpleural spine (肋棘)、尾部の二股に分かれたようなpygidial spine (尾棘)など、全体が尖っているパーツで形成されている体が特徴です。

ロシア産オルドビス紀三葉虫のうち、このCheiruridae (ケイルルス科)に属するものは、かつては全てCheirurus (ケイルルス)という属名がついていましたが、後に様々な名前に細分化され、現在ではParaceraurus (パラセラウルス)の他に、Cyrtometopus (キルトメトプス)やNieszkowskia (ニエズコウスキア)、Sphaerocoryphe (スフェロコリフェ)などがいます。ロシアでもこれらのどの種も産出量が非常に少ない希少種に当たります。

最近の市場では、Paraceraurus (パラセラウルス)の標本に様々な名前がついており、P.exsul (P.エクスル), P.macrophthalmus (P.マクロフサルムス)などが挙げられます。またP.ingricus (P.イングリクス)という頬棘や尾棘が体に対して極端に長い種類もたまに見かけられます。ただ、現地ロシアでもこれらの区別/種分けは非常に曖昧で、全く同じと思われるものに異なる名前がついているということが多々あり注意が必要です。当店では、供給元より入ってきた名前をそのまま引用しております。

Paraceraurus exsul
パラセラウルス エクスル
【CER-022】
オルドビス紀前期
Asery Level
Volkhov River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦11.2cm (直線測定)
SOLD 母岩 : 17cm x 13cm
価格 : ¥138,000 (税込¥151,800)
特記 : 真っすぐに伸びた平均的サイズの個体の美しい標本です。
このサイズになってくるとどうしても母岩割れが避けられず、それに伴う接着補修があります。右頬棘の付け根付近や左胸部端、尾板にも少し補填がありますが、全体の品質レベルとしては間違いなく良好なクラスです。ここ5年ほどはパラセラウルスは産出が非常に少ない状況が続いていましたが、ここにきてある程度の数が出たためにこのクラスの良質な標本を確保できました。ただ国の情勢が見通せない状況ですので、もしこの種ご希望の方は良質なものが市場に出次第とにかく確保するのが良いかもしれません。もちろんこのサイズの標本は実物はかなりの存在感がありますから、品質だけクリアすれば後悔することはないかと思います。
"Ceraurinella" ornatus
セラウリネラ オルナトゥス
【CER-019】
オルドビス紀前期
Kunda Level
Lava River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦8.5cm(直線測定) x 胴体幅3.4cm
SOLD 母岩 : 14cm x 13cm
価格 : ¥243,000 (税込¥267,300)
特記 : 頬棘および尾棘が極端に長い、非常に珍しいパラセラウルスの仲間です。
頭部前方などに補填がありますが、全体の量としては5%ほどであり、稀少種の標本としては十分にトップクラスのものです。母岩割れはありません。この種類は元々Cheirurus ornatusとして記載されたもので、同様の体を持つingricusと共に、近年新たな属名Ceraurinellaが提唱されていますが、Paraceraurusとして市場に出回ることもあります。長い棘の他にも、小さな三角形の頭部、細身の体と、明らかに通常のパラセラウルスと異なり、その優しく可憐な姿が印象的です。ingricusとは尾板などの違いがあるようで、この種類の産出は過去にも数体程度とのこと、今回のものは大きさもこの種類として過去最大級だそうです。