Cyrtometopus / キルトメトプス
Cyrtometopus (キルトメトプス)は、同じロシア産オルドビス紀三葉虫の代表的希少種であるParaceraurus (パラセラウルス/パラケラウルス)と同じ仲間であることが、その姿から簡単に想像できます。これらは、Phacopida (ファコプス目)の中のCheirurina (ケイルルス亜目)、Cheiruridae (ケイルルス科)に属し、多くのロシア産オルドビス紀三葉虫の中でも珍しい存在です。ロシア産オルドビス紀三葉虫のうち、このCheiruridae (ケイルルス科)に属するものは、かつては全てCheirurus (ケイルルス)という属名がついていましたが、後に様々な名前に細分化され、現在ではParaceraurus (パラセラウルス)、Cyrtometopus (キルトメトプス)やNieszkowskia (ニエズコウスキア)、Sphaerocoryphe (スフェロコリフェ)などに分類されるようになっています。ロシアでもこれらのどの種も産出量が非常に少ない希少種に当たります。発達したglabellar furrow (頭鞍溝)を持つ大きなglabella (頭鞍)がある頭部、立派なgenal spine (頬棘)や胸部のpleural spine (肋棘)、尾部の二股に分かれたようなpygidial spine (尾棘)などがこの仲間の大きな特徴です。