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Dysplanus / ディスプラヌス

Dysplanus (ディスプラヌス)も、Illaenus (イレヌス)と同様にCorynexochida (コリネクソカス目)の中のIllaenina (イレヌス亜目)に属し、Asaphus (アサフス)など多くのAsaphida (アサフス目)が占めているロシア産オルドビス紀三葉虫の中では目立つ存在です。このDysplanus (ディスプラヌス)もIllaenus (イレヌス)と同様に、体全体が丸っぽく単純な頭部に大きな尾板が特徴のため、学術的にもかつてはIllaenus (イレヌス)として分類されていました。しかしながら、胸部の節の数がIllaenus (イレヌス)が10に対し、このDysplanus (ディスプラヌス)は9しかないため、後に独立して"Dysplanus"という分類になりました。

そのDysplanus (ディスプラヌス)には、頬棘が長めのD.centrotus(セントロトゥス)と、非常に短いD.acutigenia(アクティゲニア/アクティジェニア)という2種類が存在します。ここ最近は、actigenia (アクティゲニア)の代わりにbabinoensis (バビノエンシス)という種名で商業的に出ることもあるようですが、両者は元々同じものです。

Dysplanus acutigenia
ディスプラヌス アクティゲニア
【DYS-013】
オルドビス紀前期
Volkhov Level
Putilovo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦3.3cm x 幅2.2cm
SOLD 母岩 : 5.5cm x 8cm
価格 : ¥41,200 (税込¥45,320)
特記 : 最近違う種名で呼ばれることもある頬が短いタイプの方、頭部裏まで剖出された標本です。
母岩割れはありません。頭部左端に割れ接着、右頬付近にわずかに補填、また尾板左にも少し樹脂が入った直しがあります。ただ全体としては頭部や尾板中央に筋肉や腱の痕と言われる茶色い斑点も残り、状態は決して悪くありません。サイズ的には若干小さいかなと感じるものの、ディスプラヌスとしては十分に特徴を感じ取れる標本かと思います。イレヌス系の唇剖出はかなり奥の方まで掘り出す必要があるためにかなり手間がかかるそうで、その分少し高い価格設定になっていますが、アサフスなどとはまた違った唇の様子が観察できることは間違いなくこの標本の特筆すべき点でしょう。
Dysplanus acutigenia
ディスプラヌス アクティゲニア
【DYS-012】
オルドビス紀前期
Volkhov Level
Putilovo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 背周り4.8cm x 幅2.5cm
SOLD 母岩 : 6cm x 6cm
価格 : ¥34,200 (税込¥37,620)
特記 : ちょうど平均サイズの見事な品質の個体です。
母岩割れはありません。頭部中央と右眼上にほんのわずかに補填があるのみの、間違いなくトップクラスの品質です。そのため生きていた時の筋肉や腱の痕跡と言われる茶色いスポットや紋様も頭部や尾板に残ります。ディスプラヌスは非常に地味ですが何気に産出は少なく、ここまでの品質のものはなかなか見つからないため、この種の決定版的な標本をお探しの方には特にお薦めします。
Dysplanus centrotus
ディスプラヌス セントロトゥス
【DYS-010】
オルドビス紀前期
Kunda Level
Voibokalo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦6.2cm(直線測定) x 幅4.2cm
SOLD 母岩 : 13.5cm x 7cm
価格 : ¥123,000 (税込¥132,840)
特記 : ディスプラヌスとは思えないような巨大な個体の、まっすぐに伸びたトップクラス品質の標本です。
置換鉱物の色むらにより一見したところ見栄えはあまり良くないですが、実際のところは頭部前方やや左にわずかに2mm程度の樹脂による埋めが目立つくらいで、補填率1%程度の最上位クラスの品質です。頭部や尾板などに見られる大きめの茶色の斑点は生きていた時の筋肉や腱の痕と言われているものです。この非常に良い保存状態に加え、剖出もかなり丁寧にされており、拡大写真の通りに両眼の網目状の複眼もほぼ完全に保存・剖出されています。定規で測定しても6cm以上あるこの個体はアサフスやイレヌスの平均サイズのものと同じほどの大きさ、しかし節の数は9つであるため、間違いなくディスプラヌスであることが分かります。特徴も稀少な方のD.centrotusのものを兼ね備えており、採掘元もこの種と同定していますが、通常のものの1.5-2倍近いこのようなサイズのものは20年以上採掘しても2,3体目とのこと、もしかすると新しい種類として今後記載される可能性もあるかもしれません。いずれにしても、トップクラスの品質とサイズと剖出の三拍子揃ったワールドクラスの標本であることは間違いありません。