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other Illaenus / その他のイレヌス(イラエヌス)

ロシア産オルドビス紀三葉虫において、Asaphus (アサフス)に次いで産出が多い属がこのIllaenus (イレヌス)です。Corynexochida (コリネクソカス目)の中のIllaenina (イレヌス亜目)に属しています。胸部の節の数は10で、体全体が丸っぽく単純な頭部に大きな尾板が特徴です。

ロシア産Illaenus (イレヌス)には、Asaphus (アサフス)と同様にさまざまな種類が存在し、現在までに記載されているだけでも20種ほどに上ります。ロシア三葉虫が商業市場に出回り始めた頃は、他との明確な違いがあるI.tauricornis (イレヌス タウリコルニス)とI.schmidti (イレヌス シュミッティ)以外のほとんどの種類がまだ"Illaenus sp.(イレヌスの一種)"という状態で出回っていました。2005年くらいから細かい種類の同定までされて市場に出るようになっています。

Illaenus sinuatus
イレヌス シヌアトゥス
【ILS-064】
オルドビス紀中期
Asery Level
Volkhov River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 幅4.7cm
SOLD 母岩 : 8cm x 7cm
価格 : ¥26,300 (税込¥28,930)
特記 : この種としては間違いなく大きな個体です。
本体右端に縦方向に母岩割れがあり、右眼からその下周辺にかけての樹脂の補填もそのためのものです。ただ全体としては補填はこの程度と限定的で、全体が赤くなっているのもごく自然なものです。このクラスのサイズになってきますと、体積も大きく増えるためにどうしても地中での圧力の影響を受けてしまい、この標本も頭部右方向に縦方向のたわみによる変形、あとは体全体にかけて少しねじれのような変形がみられます。もっともこの程度だとまだまだ許容範囲かと思います。実際に背周りでは8cmを超えており、このサイズならではのボリューム感が大きく、この種類としては十分なインパクトを持ち合わせている標本となっています。
Illaenus atavus
イレヌス アタヴス
【ILS-063】
オルドビス紀前期
Kunda Level
Volkhov River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦6.1cm(背周り7.5cm) x 幅3.7cm
SOLD 母岩 : 8.5cm x 6.5cm
価格 : ¥26,800 (税込¥29,480)
特記 : この種としてはちょうど平均的サイズの個体がまっすぐに伸びた標本です。
本体にかかる母岩割れはありません。尾板左端の下側が母岩の端にかかった関係でその部分に少し樹脂による補修がありますが、全体を通してそこくらいしか補填がない大変状態の良い標本です。この産出層の母岩の鉱物ムラのために少し色の変化が本体中にも確認できますが、それらは決して人工的なものではなく、実際頭部などは色の違いがあれども表面にはびっしりと細かい線模様が確認できることからもよく分かります。体積が大きなイレヌスでありがちな地中でも変形扁平もほぼなく、イレヌスの各種を集められている方には特にお薦めの良品です。
Illaenus plautini
イレヌス プラウティニ
【ILS-062】
オルドビス紀中期
Asery Level
Volkhov River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦5.8cm(背周り7.4cm) x 幅3.8cm
SOLD 母岩 : 6cm x 7cm
価格 : ¥19,800 (税込¥21,780)
特記 : この種としては平均か少し大きめの個体、頭部裏まで剖出された標本です。
斜めに母岩割れ接着補修があります。頭部中央から胸部にかけても少し樹脂による補修、あとは頭部裏の唇の端にもわずかに補填があります。尾板の割れのようなものは母岩割れではなく自然なものです。元々完体ながら採掘時に少しダメージを受けて補修が少し多いために一段安い価格設定ながら、イレヌスにありがちな地中での圧縮変形も頭部にわずかにあるだけで左右方向の扁平もなく、I.プラウティーニとしての特徴も感じ取れる上にサイズがある悪くない標本です。イレヌスとして珍しく頭部裏の唇も剖出され、アサフスの唇との違いも観察できる興味深い標本でもあります。頭部裏を観察できるよう写真のように立てることもできます。
Illaenus sarsi
イレヌス サルシィ
【ILS-061】
オルドビス紀前期
Kunda Level
Voibokalo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 縦5.8cm(背周り7.6) x 幅3.5cm
SOLD 母岩 : 9.5cm x 10cm
価格 : ¥21,300 (税込¥23,430)
特記 : 十分な大きさのある個体の、まっすぐに伸びた標本です。
母岩割れはありません。頭部中央右後方に少し傷がありますが浅く、軽く着色すれば目立たないかもしれません。補填は両眼付近と胸部中央前方にわずかにありますがそれ以外にはないため、この体積が大きい種類としてこの補填量は間違いなくかなり少ない量です。また特に体積の大きな頭部はどうしても地中で変形を受ける傾向があり、この個体も例外ではありませんが、写真の通りこれくらいの扁平は十分に許容範囲内かと思います。体全体としても扁平はほぼないレベルです。イレヌスはいろいろ種類があり、それをある程度の品質で網羅しようとすると実はかなり大変です。従って、一通りのイレヌスを集めたい方はもちろんのこと、通常より一段下の地層からのこの種類は多くのイレヌスより古いものですので、地味な姿の割に興味深い標本かもしれません。
Illaenus crassicauda
イレヌス クラシカウダ
【ILS-060】
オルドビス紀後期
Kukruse Level
Alekseevka Quarry
詳細写真 Kingisepp district, Russia
本体 : 縦2.1cm(直線測定) x 幅1.9cm
SOLD 母岩 : 6.5cm x 10cm
価格 : ¥49,800 (税込¥54,780)
特記 : 通常より数段上の新しい地層から産出した、ほとんどのイレヌスの子孫にあたる希少種です。
頭部の胸部側中央付近に剥がれの接着はありますが、それ以外に補填はほぼゼロのトップクラスの品質です。地中での変形もありません。ご存じのようにこの層はほとんどのアサフスやイレヌスよりも後の時代に当たりますが、環境の違いが大きいのかこの層からの三葉虫は大きくとも3cm程度とサイズは小さく、また完体化石として産出すること自体が非常に稀です。この標本もそのためにこのサイズに対して安くない価格ですが、採掘元によれば希少性を考えるとまだまだ高くしたいところとのこと、採算を考えるとこれでもぎりぎりかという感じだそうです。いずれにせよ、今回のこの標本はこの種類としては最大級、しかもこの見事な保存状態ですので、この種の決定版的標本として自信を持ってお薦めさせて頂きます。