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Nileus / ニレウス

非常に単純な丸っぽい体に愛嬌のある大きな眼を持ち、その丸まった姿がアルマジロに似ているということで学名が付いている種(Nileus armadillo/ニレウス アルマジロ)までもいる、ロシア産オルドビス紀三葉虫の中でも人気の高いのがこのNileus (ニレウス)です。この種類も、他の多くのロシア産オルドビス紀三葉虫と同様に、Asaphida (アサフス目)に属しますが、Cyclopygoidea (キクロピゲ超科)のNileidae (ニレウス科)に属しており、その意味ではロシア産オルドビス紀三葉虫のほとんどがAsaphidae (アサフス科)に属していることを考えれば、かなり珍しい存在かもしれません。

このCyclopygoidea (キクロピゲ超科)は、イギリスのオルドビス紀の地層から産出するCyclopyge(キクロピゲ)やDegamella (デガメラ)などが有名ですが、これらの仲間は海岸から遠い深い海の中に生息していたと考えられ、それ故にわずかな光でも探知できるように、体の割に眼が大きいとされています。

この地域のNileusには、N.armadillo (N.アルマジロ)の他に、N.exarmatus (N.エクサルマトゥス)、N.depressus (N.デプレスス)が登録され、同じ地層帯に属するバルト海地域には他にも数種類いるとされていますので、今後商業的にもこれらの名前の付いた標本が出てくるかもしれません。

Nileus armadillo
ニレウス アルマジロ
【NIL-007】
オルドビス紀前期
Volkhov Level
Putilovo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 背周り2.9cm x 幅1.5cm
SOLD 母岩 : 5.5cm x 6cm
価格 : ¥88,000 (税込¥96,800)
特記 : なかなか出てこないほぼ真っすぐに伸びている姿勢の標本です。
母岩割れはありません。左眼など左前が少し荒れてますが、補填はそこを撫でている程度のものであり、それ以外にはないため状態はかなり良いです。まさにダンゴムシのような姿に大きな目という可愛さで大変人気のあるこのニレウスという種類ですが、15-20年前に比べるとさらも産出は減ってしまい、今は普通に希少種としての取り扱いです。そんな少ない産出量の中で、このように体を伸ばしている姿勢のものはさらに少ない上に非常に需要があり、価格も相応になってしまいますが、これよりもさらに高額が付けられることも少なくなくなってきており、獲得にはある程度の覚悟が必要です。今回のこの個体はサイズもごく平均的で状態も良いですから、価格さえクリアすれば十分にお薦めできる標本です。