最古の環形動物 Sabellidites (サベリディテス)
Sabellidites cambriensis (サベリディテス カンブリエンシス)は、現生まで続く多細胞生物としては地球上で最も古いものの一つで、カンブリア紀以前のエディアカラ紀からカンブリア紀にかけての地層で見つかる環形動物の仲間です。このエディアカラ紀にはエディアカラ生物群に代表される多細胞生物が多数出現しました。しかしながらそれらのほとんどは現生のものと関連付けることが困難なのに対し、このSabellidites cambriensis (サベリディテス カンブリエンシス)は、その高度に秩序化された有機物の組織が、現在も深海で多く見られるハオリムシも属する環形動物多毛類のSiboglinidae (シボグリヌム科)のものと酷似しており、この点から地球上で最も古い環形動物の一つとされています。