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Geragnostus / ゲラグノストゥス

Geragnostus (ゲラグノストゥス)は、Agnostida (アグノストゥス目)、Agnostina (アグノストゥス亜目)、Metagnostidae (メタグノストゥス科)に属する三葉虫です。もっともこのAgnostida (アグノストゥス目)は、一般的に三葉虫と認識されている構造とは大きく異なり、眼もなくどちらが頭部と尾部かも分からないような上下対称のようなの構造を持ち、しかもスウェーデンからの特殊な保存状態の標本から、軟体部も含めた体の詳細構造も分かっているにも関わらず、今だに三葉虫に属するべきか否かという議論がなくなりません。このAgnostida (アグノストゥス目)は、米ユタ州や北欧など世界各地のカンブリア紀の地層から非常に多く産出しますが、そのほとんどがカンブリア紀末にはいなくなってしまい、このページで扱っていますオルドビス紀の地層から産出したものは、非常に数が限られています。その後、このAgnostida (アグノストゥス目)のすべての種類は、オルドビス紀が終わると同時に、地球上から完全に姿を消すこととなります。

ロシア・オルドビス紀からのAgnostida (アグノストゥス目)は、Geragnostus ingricus (ゲラグノストゥス イングリクス)が唯一の記載種です。F.Schmidt博士が19世紀末に報告した時点では、Agnostus glabratusという名前が使われていましたが、近年の見直しでこのGeragnostus ingricus (ゲラグノストゥス イングリクス)という名前となり、最近は商業的にも使われるようになりました。オルドビス紀のAgnostida (アグノストゥス目)は世界中でも数が少なく、ここロシアでもこれまでに産出した数は他の三葉虫に比べて圧倒的に少なく、大変稀少な種類となっています。

Geragnostus ingricus
ゲラグノストゥス イングリクス
【AGN-001】
オルドビス紀前期
Volkhov Level
Putilovo Quarry
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 片面 縦0.5cm(直線測定) x 幅0.5cm
母岩 : -
価格 : ¥29,800 (税込¥32,780)
特記 : 完全防御体勢で頭部と尾部をくっつけて体をたたんでいる個体です。
とても小さい標本ですが、補修は全くなく、拡大写真をしてもこれほどまで美しく見えるほど、ロシアのクリーニング職人の技術には驚きです。この小さな種類ながらこの価格となっていますが、実際には年間に数体産出するかしないかというような大変稀少な種類であり、世界的にみてもオルドビス紀のアグノストゥスは産出が大変少なく稀少です。
Geragnostus ingricus
ゲラグノストゥス イングリクス
【AGN-002】
オルドビス紀前期
Kunda Level
Lava River
詳細写真 St.Petersburg region, Russia
本体 : 片面 縦0.4cm(直線測定) x 幅0.4cm
SOLD 母岩 : 3cm x 1cm
価格 : ¥58,400 (税込¥63,072)
特記 : 真っ直ぐに伸びた個体とその間に立体的に保存された完全防御体勢の個体が付いた標本です。
補修補填の類いはありません。最初からこの状態のナチュラルダブルであり、人工的に貼り合わせたものでもありません。この時代・産地のアグノストゥスは非常に稀少であるため、米ユタ州などのものとは違って、通常複数同時に産出することはほぼありません。それにも関わらずこの標本は2体がくっついて保存されており、しかも下の真っ直ぐに伸びている個体は中央を境に分離しており、その真ん中に丸まった完体が載っていることを考えると、ちょうど脱皮をしたところを埋まって保存されたと考えるのが適当かもしれません。いずれにしても、このような標本はこの産地ではこれまで見たことのない部類に当たり、この種の稀少さと相まって大変貴重なものであるかと思います。本来ですとこの希少性ゆえに高額になるべきものですが、この小さな種類のために渋々この価格というのが採掘元/供給元の本音のようです。