オーストラリア産三葉虫
三葉虫は、古生代 (約5.7億年前〜2.45億年前) に地球上に繁栄していた節足動物です。約3億年に渡って様々な形態に進化し、全体で1万を超える種を有していましたが、恐竜が現れる中生代を前にしてすべて絶滅してしまいました。
オーストラリアは、特にカンブリア紀より前の地層に注目が集まりがちですが、実際は三葉虫を生み出す古生代の地層も大陸の1/4ほどを占めています。しかしながら、オーストラリアからの三葉虫については、カンガルー島など一部の地域からの三葉虫を除いてはマイナーな存在であり、また市場に出回る数自体も、大規模に商業的採掘が行われている他の地域に比べると非常にわずかで、これはこの国の他の多くの化石と同様、産地へのアクセスの困難さや採掘規制などの事情によるものが主な理由のようです。
オーストラリア産の三葉虫の代表的なものとしては、現在も世界的な注目を集める南オーストラリア州カンガルー島のカンブリア紀前期エミューベイ頁岩からのRedlichia (レドリキア)やBalcoracania (バルコラカニア), Estaingia/Hsuaspis(エスタインギア/スアスピス)、北東部クイーンズランド州のカンブリア紀中期のXystridura (キストリドゥラ)、タスマニア島のカンブリア紀中期のAgnostus (アグノストゥス)の仲間、南東部ニューサウスウェールズ州のシルル紀からのOdontopleura/Sinespinaspis (オドントプレウラ/シネスピナスピス)が挙げられます。