Colpocoryphe / コルポコリフェ
ポルトガルの中央部から北部にかけての広い範囲でオルドビス紀の地層が露出しています。その中でもValongo Formation (ヴァロンゴ層)と呼ばれるオルドビス紀中期の地層からは、オルドビス紀を代表するたくさんの三葉虫が産出することで世界的に有名です。特に最近、北部Arouca近くCanelasの建材用スレート採掘所にあるこの地層からは、何と大きさが70cm(不完全のものでは推定90cmほど)という世界最大級の三葉虫が産出したことでも話題となっています。(この地域は現在UNESCO Geopark/ユネスコ ジオパークに登録され、地球の歴史など様々な啓蒙活動に重要な役割を果たしています。)
このポルトガル・オルドビス紀Valongo Formation (ヴァロンゴ層)からの三葉虫は、そのほとんどが地中で圧縮変形をしていることから、一目でこの産地のものと分かります。またこの地層はLlanvirn (ランビルニアン)からLlandeilo (ランディリアン)に属するため、St.Petersburg (サンクトペテルブルグ)周辺から産出するロシア産三葉虫とほぼ同時代となり、それ故に同じような種類が産出することでも非常に興味深いものです。
Colpocoryphe (コルポコリフェ)は、Phacopida (ファコプス目)のCalymenina (カリメネ亜目)、Calymenoidea (カリメネ科)に属しています。この科は北米で最も多く産出する三葉虫の一つとして有名なCalymene (カリメネ)やFlexicalymene (フレキシカリメネ)など、オルドビス紀からシルル紀にかけて世界中の海で繁栄した代表的な三葉虫の種類です。