Diacalymene / ディアカリメネ
Diacalymene (ディアカリメネ)は、Phacopida (ファコプス目)のCalymenina (カリメネ亜目)の中のCalymenidae (カリメネ科)に属します。世界中から産出する同時代の代表種Calymene (カリメネ)の他、Flexicalymene (フレキシカリメネ)、Gravicalymene (グラヴィカリメネ)などがこの科の種類です。Diacalymene (ディアカリメネ)は、オルドビス紀からシルル紀に渡って生息したため、オルドビス紀のFlexicalymene (フレキシカリメネ)、およびシルル紀のCalymene (カリメネ)と一緒に産出することもあり、学術的にも特にモロッコなどの新しい産地などのもので属名が混同されていることが多くなっています。頭部先に盛り上がった部分があることなどがDiacalymene (ディアカリメネ)の特徴とされています。モロッコのオルドビス紀の地層から産出するD.ouzreguiは、8cm程度の大型で多産するために、化石ショーなどでも安価な本物の三葉虫として見かける機会も多いようですが、この属のものとしてはそれは例外であり、基本的にこの属に分類されている種類はそれほどありません。
北米からは、アメリカからのものを中心に数種類がいるようですが、古い記載で全体像がつかめないものが多く、どれも聞き慣れないものばかりです。また米オクラホマ州のHenryhouse fm (ヘンリーハウス層)からのC.clavicula (カリメネ クラヴィクラ)は、Diacalymene (ディアカリメネ)の属名になっていることがあります。またカナダ・ケベック州・Anticosti IslandのJupiter fm (ジュピター層)からは、D.schucherti (ディアカリメネ シュチャーティ)の他にも、この属と思われるものが産出しているようです。