Eccoptochile / エコプトチレ
Eccoptochile (エコプトチレ)は、Phacopida (ファコプス目)の中のCheirurina (ケイルルス亜目)、Cheiruridae (ケイルルス科)に属します。その姿からも容易に連想できます通り、ロシア産オルドビス紀三葉虫の代表的種であるParaceraurus (パラセラウルス)、同じくロシアや米NY州、英スコットランドなどからの稀少種Sphaerocoryphe (スフェロコリフェ)、カナダ・オンタリオ州やケベック州のオルドビス紀Trenton Group (トレントン群)からのCeraurus (セラウルス)やXylabion(キシラビオン)などが同じオルドビス紀からのこの科の三葉虫です。また他に米・イリノイ州やオハイオ州のシルル紀Niagaran Dolomite (ナイアガラ ドロマイト)からのCheirurus (ケイルルス)、モロッコ産デボン紀三葉虫で代表的なCrotalocephalus (クロタロセファルス)もこの科に属します。発達したglabellar furrow (頭鞍溝)を持つ大きなglabella (頭鞍)がある頭部には、微小の穴のような斑点を持つ種類が多く、目立ったgenal spine (頬棘)や胸部のpleural spine (肋棘)、そしてこの科であることがすぐに分かる特徴である尾板を持っており、全体が尖っているパーツで形成されている印象があります。
モロッコからのEccoptochile (エコプトチレ)は、各地のオルドビス紀の地層から産出します。しかし、尾板の形状など産地により細かい差異があり、実際には様々な種がいるものと考えられますが、まだまだ研究途上であり現在はその多くが未記載種扱いとなっています。