レバノン産 シーラカンス化石
シーラカンス (Coelacanth)は、約4億年前の古生代デボン紀に出現し中生代白亜紀末には絶滅したと考えられていましたが、1938年に南アフリカ沿岸で捕らえられて以降、現生でも確認されておりその姿はデボン紀以降ほとんど変化していないことから、生きた化石の一つに数えられています。元々淡水でも生息していましたが、中生代に入ると海のみで生息し、現在では深海でのみ確認されています。硬骨魚綱の中の肉鰭(にくき)類という仲間に入れられています。
レバノンの白亜紀後期の地層からは、Macropomoides orientalis (マクロポモイデス オリエンタリス)というシーラカンス一種が産出します。中型のシーラカンスで、浅い海に生息していました。ただ種登録に使われた30cm程度の個体に比べ、現在実際に産出する個体は大きくとも10cm程度のものが多く、細かい違いもいくつか確認されているために、今後さらなる研究が待たれます。