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Zeliszkella / ゼリスズケラ

ポルトガルの中央部から北部にかけての広い範囲でオルドビス紀の地層が露出しています。その中でもValongo Formation (ヴァロンゴ層)と呼ばれるオルドビス紀中期の地層からは、オルドビス紀を代表するたくさんの三葉虫が産出することで世界的に有名です。特に最近、北部Arouca近くCanelasの建材用スレート採掘所にあるこの地層からは、何と大きさが70cm(不完全のものでは推定90cmほど)という世界最大級の三葉虫が産出したことでも話題となっています。(この地域は現在UNESCO Geopark/ユネスコ ジオパークに登録され、地球の歴史など様々な啓蒙活動に重要な役割を果たしています。)

このポルトガル・オルドビス紀Valongo Formation (ヴァロンゴ層)からの三葉虫は、そのほとんどが地中で圧縮変形をしていることから、一目でこの産地のものと分かります。またこの地層はLlanvirn (ランビルニアン)からLlandeilo (ランディリアン)に属するため、St.Petersburg (サンクトペテルブルグ)周辺から産出するロシア産三葉虫とほぼ同時代となり、それ故に同じような種類が産出することでも非常に興味深いものです。

Zeliszkella (ゼリスズケラ)は、Phacopida (ファコプス目)のDalmanitoidea (ダルマニテス超科)、Dalmanitidae (ダルマニテス科)に属しています。この科にはポルトガル産のEodalmanitina (エオダルマニティナ)の他、北米ニューヨーク州やインディアナ州のシルル紀の地層から産出するDalmanites (ダルマニテス)や、米オクラホマ州のデボン紀からのHuntonia (ハントニア)、あるいはモロッコ・デボン紀からのZlichovaspis (ズリコヴァスピス)がいます。この科のものは、半月状の複眼や長い尾棘により他の三葉虫から容易に区別がつく種類でもありますが、このZeliszkella (ゼリスズケラ)には尾棘がありません。

Zeliszkella torrubiae
(ゼリスズケラ トルルビアエ)
【ZZK-002】
オルドビス紀中期
Valongo Formation
St Pedro de Cova
詳細写真 Portugal (ポルトガル)
本体 : 縦5cm (直線測定) x 幅1.8cm
SOLD 母岩 : 12.5cm x 10cm
価格 : ¥13,500 (税込¥14,580)
特記 : 産出量の少ない珍しい種類の、美しい状態で保存された標本です。
残念ながら頭部に目立つ欠けがありますので、この価格での提供となります。しかしこの種類は市場に出回ることはほとんどありませんので、貴重な標本であることに変わりはありません。大きさも十分ですし、両方の複眼も保存されております。何よりこの種類の特徴的な尾板が明確に観察できます。この標本は今回のもう一方の標本と異なる産地からのものです。この種類の標本をリーズナブルな価格にてとりあえず確保されたい方には大変お薦めな標本です。
Zeliszkella torrubiae
(ゼリスズケラ トルルビアエ)
【ZZK-001】
オルドビス紀中期
Valongo Formation
Covelo
詳細写真 Portugal (ポルトガル)
本体 : 縦4.8cm (直線測定) x 幅1.8cm
SOLD 母岩 : 12cm x 11cm
価格 : ¥23,619 (税込¥24,800)
特記 : 産出量の少ない珍しい種類の、本当に美しい状態で保存された標本です。
頭部の先端から尾板の先まで見事に残る完体標本です。あえて言えば頭部中央付近に若干剥離がある程度でしょうか。しかし両複眼は見事に保存されており立体的でさえあります。大きさも十分ですので、この種類のここまでの品質のものを確保することは今後もかなり難しいかと思います。